3.社会主義市場経済への変革対応期

 1978年以降の改革開放政策により中国の社会経済体制は徐々に変化し始め、求められる人材ニーズの多様化が進んだ。このため、大学は社会の変化に目を向けて、新 しい時代のニーズに適合した人材育成や科学研究を行うことがより求められるようになった。しかしながら、建国以来の計画経済体制を前提とした大学の管理運営制度は、社 会の変化に速やかに対応することができず弊害が目立つようになった。教育計画の策定や学部・学科の設置は中央政府によって細かく管理され、学生の卒業後の配属先まで国が計画し配分する体制が存続しており、大 学の主体的な教育運営と自由な研究活動を行うための活力が失われていた。

 このため中国政府は1985年、「教育体制改革に関する党中央の決定」を公表し、高等教育機関の管理体制を改革し、大学の自主権を拡大する方針を示した。具体的には、学長責任制を導入して、教 育計画の立案を大学が自主的に行うことや、学部・学科・専攻の設置に関する調整、副学長や大学幹部の任免人事権が学長に認められた。また、高等教育体制改革の方向として、大 学の科学研究能力の向上が重要であることが改めて確認された。

 1992年、中国共産党第14回全国代表大会は、中国の経済体制改革の目標を社会市場経済体制の確立に置くことを決定した。これにより、大学の役割は、社 会主義市場経済を発展させるための様々な社会的ニーズに対応することであるとの、高等教育体制改革の基本的な目標が明確となった。この政策決定に基づき党中央と国務院は1993年2月13日、「 中国教育改革と発展に関する綱要」を公表した。同綱要は、中央政府と地方政府の教育行政における監督権限の調整方針を示すとともに、政府と大学の関係について、政府は大学に対する直接的な運営管理から、マ クロ政策的な管理へと指導行政の重点を移すこととし、大学の自治権を尊重する方針を定めた。

 中央政府と地方政府の大学の監督権限の調整は、中央政府と省級政府の2段階のレベルによる共同管理体制が打ち出された。中央政府の教育行政部門である国家教育委員会(当時)のもとで、各 大学が所在する地方の省級政府の政策決定権が強化され、各地域の社会経済の実情と実践的ニーズに対応した特色ある大学の発展を目指した。

 同綱要の方針に基づいて、1992年から2000年の間に387校の普通大学と169校の成人大学が合併を経て、212校の普通大学と20校の成人大学に調整された。また、衛 生部や鉄道部といった中央政府部門は、各分野の専門人材を確保するため全国に独自に大学を設置していたが、このうち360校が中央政府から地方政府部門へ移管された。普 通大学の主管別の学校数の推移は第1-1-1図に示すとおり、教育部以外の中央政府部門に属する大学は1997年に310校あったが、2002年には39校に減少し、地 方部門に属する大学は1997年の675校から2008年の1514校へ2.2倍に増加した。

第1-1-1図 普通大学の主管別学校数の推移

第1-1-1図 普通大学の主管別学校数の推移

原典:「中国教育統計年鑑」各年版
出典:JST中国総合研究センター「ダイナミックに変革する中国の高等教育の発展と動向


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