1.研究人材

(1)研究者数の推移

 高等教育機関の研究従事者数の2002年から2007年までの推移は、第5-1-1図に示すとおり毎年着実な増加を示している。高等教育機関で科学研究に携わる研究者の人数は、2002年の38万3000人から2007年の54万2000人へ5年間で1.4倍に増えた。大学の研究人材のフルタイム換算(FTE: Full Time Equivalent)ベースの人数推移も、2002年の18万1500人から2007年の25万3900人へ5年間で1.4倍に増加した。

 他方で大学の新入生規模の増大に伴い、学部に在籍する大学生の人数は2002年の903万4000人から2007年の1884万9000人へ2.1倍に倍増した。学部生の増加率に比較すると、研究従事者数の増加率は下回っており、大学の学部在学生に対する研究従事者数の割合は2002年の4.2%から2007の2.9%へ低下した。

第5-1-1図 大学の研究従事者数の推移(2002~2007年)

第5-1-1図 大学の研究従事者数の推移(2002~2007年)(単位:万人)

出典:「中国統計年鑑2008」(国家統計局編、中国統計出版社)をもとに作成

(2)科学研究人材全体に大学の占める割合

 科学研究人材全体に占める企業、研究機関、大学の各部門別の人数の推移をフルタイム換算(FTE: Full Time Equivalent)ベースで第5-1-2図に示す。大学のFTE換算ベースの研究人材は、2002年の18万1500人から2007年の25万3900人へ5年間で1.4倍に増加した。他方、中国全体の研究人材は2002年の103万5100人が2007年に173万6200へ1.68倍に、大学の研究人材の増加を上回る率で増加した。このため、科学研究人材全体に占める大学部門の割合は2002年の17.5%から2007年に14.6%へ2.9ポイント低下した。

 なお、同期間に研究人材が最も増えたのは企業部門で、2002年の60万1300人から2007年の118万6800人に1.97倍とほぼ倍増し、全体に占める割合は、2002年の58.1%から2007年の68.4%へ10.3ポイント上昇した。

第5-1-2図 研究人材に占める各部門の割合の推移(2002~2007年)

第5-1-2図 研究人材に占める各部門の割合の推移(2002~2007年)(単位:万人・年 FTE換算)

出典:「中国科技統計年鑑2008」(国家統計局、科学技術部編、中国統計出版社)をもとに作成

(3)研究人材の国際比較

①博士学位取得者数

 自然科学系の博士学位取得者数の国際比較を第5-1-3図および第5-1-1表に示す。中国は理学、工学、農学、医学の各分野の合計で2万5656人が博士学位を取得しており、アメリカの2万8970人に次いで第2位である。日本の自然科学系の博士学位取得者数は1万3909人で、ドイツの1万7423人を下回り第4位となっている。中国は日本の1.84倍の自然科学系の博士学位取得者数を有し、合計人数ベースでアメリカの88.6%の水準である。

 分野ごとの割合で見ると、中国は工学博士が1万2852人で最も多く、自然科学系の博士学位取得者数全体の50.1%を占めており、主要国の中で工学博士の割合が最も高い。日本は、医学博士が全体の48.6%とほぼ半数を占め、工学博士が30.2%で続いている。中国の医学博士は全体の22.2%で、日本の割合の半分以下と低くなっている。

第5-1-3図 自然科学系の博士学位取得者数の国際比較グラフ

第5-1-3図 自然科学系の博士学位取得者数の国際比較グラフ(単位:人)

第5-1-1表 自然科学系の博士学位取得者数の国際比較(単位:人)
注)統計年度は中国が2007年、日本とアメリカが2005年、その他の国は2006年。
出典:「中国教育統計年鑑」(2007年版、教育部発展規画司編、人民教育出版社)
「教育指標の国際比較」(平成21年版、文部科学省)をもとに作成
国名 理学 工学 農学 医学 合計
アメリカ 11,557 9,091 1,194 7,128 28,970
中国 5,384 12,852 1,712 5,708 25,656
ドイツ 6,299 2,206 999 7,919 17,423
日本 1,633 4,195 1,321 6,760 13,909
イギリス 6,200 2,600 300 2,700 11,800
フランス 6,081 444 6,525
韓国 3,619 2,266 5,885

②研究者の所属部門別の割合

 主要各国の研究者数(人文・社会科学系を含む)の所属部門別の割合を第5-1-4図に示す。日本は研究者数全体の36.6%を大学の研究者が占め、主要国の中で大学部門の割合が最も高い。次いでフランス(32.2%)、イギリス(31.1%)が大学の研究者の割合が30%を超えそれぞれ第2位と第3位となっている。中国は、大学部門の研究者の割合は全体の17.4%で、日本との比較では半分以下の構成割合となっており、研究人材の中で大学部門が占める割合は国際的に見て高くない。なお、アメリカと韓国では、大学の割合はそれぞれ14.8%と14.2%となっており、比較対象の主要国の中で最も低くなっている。

 主要各国とも研究者数全体の中で、企業部門に所属する研究者の割合が最も多くアメリカは82%に達している。中国は66.4%で、韓国の77.8%に続いており、日本(58.4%)やフランス(54%)、ドイツ(61.2%)を上回り、企業部門の研究者の割合が高い。

 また、政府部門の研究者が全体に占める割合は中国が最も高く16.2%となっており、ドイツの15.0%、フランスの12.1%がこれに続く。他方、アメリカは政府部門の研究者の占める割合は3.2%で最も低い。日本は4.0%でアメリカに次いで政府部門の研究者の割合が低くなっている。

第5-1-4図 研究者の所属部門別の割合の国際比較

第5-1-4図 研究者の所属部門別の割合の国際比較(単位:%)


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