2.就職率

(1)大学の分類別の就職率

 本科大学の「211プロジェクト」指定の有無および専科大学の分類により、最近3年間の就職率の推移を第6-1-1図に示す。2008年卒業生の211指定大学の就職率は90%で 2007年度より低下したが2006年と同水準である。211指定以外の本科大学も同様の傾向を示しているが、211指定大学よりも毎年3~4ポイント就職率が低くなっている。

 専科大学は2008年の就職率は2007年と同水準の84%を維持したが、大学全体の就職率である2007年の88%、2008年の86%を下回っている。

第6-1-1図 中国の大学卒業生の就職率の推移(2006~2008年)(単位:%)

第6-1-1図 中国の大学卒業生の就職率の推移(2006~2008年)(単位:%)

出典:「2009年中国大学生就業報告」(麦可思中国大学就業研究組編、社会科学文献出版社)

(2)専攻分野別の就職率

 本科大学の専攻分野ごとに見た就職率の2007年と2008年のデータを第6-1-2図に示す。国際金融危機等の影響による経済状況の悪化を受けて、本科大学卒業生の就職率は2007年の91%か ら2008年は88%へ低下し、すべての専攻分野で卒業生の就職率が低下した。

 このうち、中国の本科大学で学部生の約3割が在籍する「工学」は就職率が最も高く、以下、「管理学」、「経済学」が上位3分野となっている。「哲学」、「法学」の2分野では、就職率が80%を下回った。「 農学」専攻の学生の就職率は前年からの低下率が1ポイントにとどまり、景気悪化の影響が比較的少ない。

 専科大学では第6-1-2表に示すとおり、「資源開発・測量」と「材料・エネルギー」専攻の学生が2008年の就職率でも90%を超えており、社会ニーズの大きさを示している。一方で、「医薬・衛生」と「 法律」分野の就職率が75%と最も低く、本科大学と同様の傾向を示した。

第6-1-2図 本科大学の専攻分野ごとの就職率

第6-1-2図 本科大学の専攻分野ごとの就職率(単位:%)

出典:「2009年中国大学生就業報告」(麦可思中国大学就業研究組編、社会科学文献出版社)

第6-1-2表 専科大学の専攻分野ごとの就職率(単位:%)
出典:「2009年中国大学生就業報告」(麦可思中国大学就業研究組編、社会科学文献出版社)
専攻科目大分類 2007年 2008年
資源開発・測量 93 92
材料・エネルギー 93 91
交通運輸 89 87
製造 91 86
公安 76 86
紡績・食品 89 86
土木・建築 90 86
生物化学・薬品 88 86
財務・経済 88 85
水利 91 85
農林・牧畜 86 84
旅行・観光 87 84
文化・教育 84 83
環境・気象 83 82
電子情報 85 81
公共事業 84 79
芸術・メディア 83 78
医薬・衛生 85 75
法律 74 75
合計 84 84

(3)地域別の就職率

 2008年新卒大学生の卒業半年後の就職率を地域別に比較したデータを第6-1-3表に示す。就業機会が比較的豊富な「東部沿海・発展地域」は88%となり、同年の全国平均の86%を上回った。「中西部・中発展地域」は全国平均の水準にあるものの、その他の地域は全国平均を下回った。「東部沿海・中発展地域」と「中西部・低開発地域」は、全 国平均をそれぞれ4ポイントと8ポイント下回っている。また、「 東部沿海・発展地域」と「中西部・低開発地域」の就職率の格差は10ポイントに達している。

第6-1-3表 地域別の大学卒業生就職率(2008年)
出典:「2009年中国大学生就業報告」(麦可思中国大学就業研究組編、社会科学文献出版社)
地域別 含まれるエリア 就職率(%)
東部沿海・発展地域 北京、広東、江蘇、山東、上海、天津、
浙江、福建
88
中西部・中発展地域 南海、黒竜江、吉林、遼寧 86
東部沿海・中発展地域 重慶、安徽、広西、河北、河南、湖北、
湖南、江西、内蒙古、山西、陝西、四川、
雲南
82
中西部・低開発地域 甘粛、貴州、寧夏、青海、西蔵、新疆 78

 第6-1-4表は、大学卒業地と就職地の人材の地域間流動の状況を示している。「流入率」は、当該省市以外に所在する大学を卒業して当該省市で就職した者の数を、当 該省市の大学を卒業して当該省市で就職した者の数で割って求めた指標である。「流出率」は、当該省市に所在する大学を卒業して当該省市以外で就職した者の数を、当 該省市の大学を卒業して当該省市で就職した者の数で割って求めた指標である。

 各地域の新卒学生の就職に伴う当該地域からの流出入の状況を見ると、広東省、北京市、上海市の「正味流入率」が100%を超えるとともに上位3位を占めており、全国の大学卒業生が就業機会の多い「 東部沿海・発展地域」の大都市に集まる傾向が顕著に表れている。

第6-1-4表 大学卒業と就職の地域流動率(2008年)(%)
注)「流入率」=外部の大学を卒業して当該省市で就職した人数 ÷ 当該省市の大学を卒業して当該省市で就職した人数
「流出率」=当該省市の大学を卒業して外部で就職した人数 ÷ 当該省市の大学を卒業して当該省市で就職した人数
「正味流入率」=「流入率」-「流出率」
出典:「2009年中国大学生就業報告」(麦可思中国大学就業研究組編、社会科学文献出版社)
順位 省市エリア 正味流入率 流入率 流出率
1 広東 151 155 4
2 北京 147 170 23
3 上海 127 136 9
4 浙江 55 65 10
5 福建 16 36 20
6 雲南 15 45 30
7 山東 14 31 17
8 江蘇 14 40 26
9 内蒙古 6 45 39
10 天津 5 45 40
11 広西 -15 21 36
12 遼寧 -16 23 39
13 四川 -17 22 39
14 山西 -20 27 47
15 貴州 -21 26 47
16 重慶 -25 32 57
17 河南 -28 17 45
18 甘粛 -29 19 48
19 河北 -37 20 57
20 安徽 -39 10 49
21 陝西 -45 15 60
22 吉林 -53 10 63
23 黒竜江 -54 6 60
24 湖北 -62 10 72
25 湖南 -62 8 70
26 江西 -70 6 76

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