【17-02】大陸分裂のなぞ解明目指し南シナ海で海底掘削

2017年 2月10日  小岩井忠道(中国総合研究交流センター)

 日本列島や台湾、フィリピン諸島がなぜ大陸から分裂して形成されたかを解明するため、南シナ海での海底掘削調査・研究が2月から6月にかけて行われる。この海底掘削調査・研究は、26カ国が参加する国際深海科学掘削計画(IODP)の一環として実施される。IODPは、日本の地球深部探査船「ちきゅう」と、米国の掘削船ジョイデス・レゾリューション号を主力掘削船とする国際研究プログラムで、2013年から始まった。得られる地質試料などから、地球の歴史や活動を解明することを目的としている。

 今回、使用される掘削船はジョイデス・レゾリューション号。掘削地点は、中国・海南島とフィリピン・ルソン島のほぼ中間、南シナ海の大陸斜面と海盆に当たる海底だ。2月7日~4月9日にかけて行われる1回目の研究航海には、共同首席研究者の孫珍中国科学院南海海洋研究所教授以下、中国、米国、イタリア、フランス、日本、スイス、オーストラリア、インドの研究者33人が乗船し、2カ所で掘削を行い、海底下1,382メートルと、1,566メートルまでの岩石試料を採取する。

 2回目は4月9日から6月11日まで行われ、共同首席研究者の翦知湣同済大学海洋与地球科学学院教授をはじめ、中国、デンマーク、米国、英国、韓国、オーストラリア、ブラジル、ドイツ、フランス、インド、日本、イタリアの研究者33人が乗船し、1回目と同じ海盆に当たる地点で海底下1,670メートルまでと、もう1カ所大陸寄りの水深が海盆より浅い斜面で海底下882メートルまでの岩石試料を採取する。

 台湾とフィリピン諸島の間に連なる島弧はルソン島弧と呼ばれている。南シナ海は約3,200万年前にルソン島弧が大陸と分裂して生まれた海盆が拡大してできたと考えられている。しかし、大陸が分裂した原因については、地球深部からの高温マグマの上昇によるという説と、大陸地殻が薄くなったためという説があり、決着がついていない。今回の掘削調査・研究により得られた岩石試料がマグマ由来か、大陸地殻と同じかを調べることで、大陸分裂のプロセスやメカニズムが解明できるのでは、と期待されている。

図

図説明 南シナ海の掘削地点。赤が1回目、黄色が2回目の研究航海(IODPホームページから)


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