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中国の再生可能エネルギー研究の現状と動向

2009年3月27日

坂西欣也

陳軍(CHEN JUN):中国教育省科学技術委員会学部委員
南開大学新エネルギー材料化学研究所教授

1967年9月生まれ。1999年オーストラリアWollongong大学で材料を専攻、博士号を取得。2002年日本の独立行政法人産業技術総合研究所関西センター(AIST Kansai Center)のNEDO研究員に就任。2002年南開大学特別招聘教授に就任するとともに、教育省の世紀を跨ぐ優秀な人材に選ばれ、2003年国家傑出青年科学基金を獲得、2005年教育省長江学者特別招聘教授に選ばれる。現在、国家863計画先進エネルギー技術分野専門家、教育省科学技術委員会学部委員、南開大学高効率エネルギー貯蔵教育部プロジェクト研究センター主任、天津市エネルギー材料化学重点実験室主任。エネルギー材料の研究と開発に継続的に従事し、新エネルギー材料、高エネルギー化学電池等の面において成果を収得。すでにAcc. Chem. Res., J. Am.Chem.Soc、Angew. Chem Int. Ed.、Adv. Matter等の国際的に著名である定期刊行物にSCI収録論文100余編を発表、他人による引用は2000余回。中国、米国、欧州の発明特許の権利20件を獲得。「新エネルギー材料」、「エネルギー化学」、「化学電池:原理、技術と応用」及び「ニッケル水素二次電池」を編集・執筆。2002年Wicke国際学術賞(国際金属水素委員会、2年ごとに1名選出)、2006年度天津市自然科学一等賞(第一完成者)、2007年第一回中国電気化学青年賞、2008年柳大綱優秀青年科学技術賞、2009年ゼネラルモーターズ中国大学自動車分野創新人材賞一等賞等の奨励を獲得。

 中国経済・社会の持続的かつ急速な発展は、膨大なエネルギーの確保と切り離すことはできない。エネルギー確保は中国経済・社会発展の重要な鍵であり、経済の安定と国家の安全につながっている。今後数十年は中国経済・社会の全面的発展、中華民族の復興実現のカギとなる時期であり、エネルギー体系構築の任務は重大である。ゆとりある社会(小康社会)を目指す過程において、十数億人民の日増しに増大するエネルギー消費のニーズを満たすために、中国は今後の十年から二十年の間に世界最大のエネルギー消費と供給の体系を完成させることにしている。中国特有のエネルギー資源と環境の下において、社会・経済発展のニーズを満たすことができるだけでなく、環境にやさしいことを如何にして最大限に実現することができるかが、我々が直面している極めて困難な課題である。このために、中国独自の新しいタイプのエネルギー資源体系開発の道を歩み、これによって比較的小さなエネルギー資源と環境への代価で現代化を構築する戦略的目標を実現することが差し迫って必要となっている。その必要条件は、

  1. 低消費・高効率で、多元的に発展し、クリーンな環境保護を可能とし、
  2. 科学技術先行で、国際協力を堅持し、利用効率が高く、先進的な技術レベルであり、
  3. 汚染排出が少なく、生態環境に対する影響が小さく、供給が安定してかつ安全な、

エネルギー生産流通消費体系の構築に努めることである。

 人類のエネルギー利用はたきぎの時代から石炭の時代、さらに石油・ガスの時代への変遷を経てきたが、エネルギー利用の総量が増加するにつれ、エネルギー資源構造も絶えず変化している。いずれの利用エネルギーの変遷も、生産力の巨大な飛躍をともなっており、人類経済・社会の発展を大きく推進した。同時に、人類がエネルギー、特に化石エネルギーを使用する量がますます多くなるにつれ、エネルギーの人類経済・社会発展に対する制約と資源環境に対する影響もますます重要な問題となって来ている。今後、中国はエネルギー資源多元化の道を歩む必要がある。即ち、エネルギー資源構造の確立を加速化させ、石油供給を増やす一方、エネルギー生産と消費における天然ガス、原子力エネルギー、再生可能エネルギーの比率を大いに高め、さらに新たに増えるエネルギー需要に対する供給は、効率の高いエネルギーで、クリーンエネルギー、新しい再生可能なエネルギー等の、低炭素または無炭素高品質エネルギーを主とする方向で努めなければならない。

 国連開発計画(UNDP)は新エネルギーを、第1に大型・中型水力発電、小型水力発電、第2に太陽エネルギー、風力エネルギー、現代的バイオマスエネルギー、地熱エネルギー、海洋エネルギーを含む新しい再生可能エネルギー、第3に従来型バイオマスエネルギーの3つのタイプに分けている。国際エネルギー機関(IEA)は、再生可能エネルギーは持続的補給が可能な自然のプロセスに起因するエネルギーであると定義している。そのそれぞれの表現はいずれも太陽または地球内部の深いところから直接的または間接的に発生する熱エネルギーである。これには太陽エネルギー、風力エネルギー、バイオマスエネルギー、地熱エネルギー、水力エネルギーと海洋エネルギー、及び再生可能な資源から派生するバイオ燃料と水素によって発生する熱エネルギーが含まれる。2005年に採択された「中華人民共和国再生可能エネルギー法」は、再生可能エネルギーとは風力エネルギー、太陽エネルギー、水力エネルギー、バイオマスエネルギー、地熱エネルギー、海洋エネルギー等の非化石エネルギーを指すと規定している。2006年1月1日の「再生可能エネルギー法」の実施は、中国の新エネルギーと再生可能エネルギーが新しい歴史の段階に入ったことを示している。本論文では主として太陽エネルギー、水力エネルギー、バイオマスエネルギー、水素エネルギーと燃料電池について紹介する。

1. 太陽エネルギー

 太陽エネルギーは地球外の最大のエネルギー供給源であり、地球上のほとんどすべてのエネルギーはいずれも直接的または間接的に太陽エネルギーから来ている。中国は国土が広大であり、太陽エネルギー資源は豊富であり、しかも開発の潜在力を最も有している再生可能エネルギーの一つである。試算によると、中国の陸地表面が毎年受ける太陽輻射は約50×1018kJであり、全国各地の太陽年間輻射総量は毎年335~837kJ/cm2に達し、平均値は毎年586kJ/cm2であり、全国太陽年間輻射総量の分布(図1)から見てみると、チベット、青海、新疆、内蒙古南部、山西、陝西北部、河北、山東、遼寧、吉林西部と西南部、広東東南部福建東南部、海南島東部と西部及び台湾省の西南部等の広大な地区の太陽輻射の総量は極めて大きい。

図1 中国の太陽エネルギー資源区域分布図

 エネルギー変換方式の観点からは、太陽エネルギー利用技術は光熱変換、光電変換と光化学変換に分けられる。その内、応用が最も広範なのは光熱変換技術で、これは太陽輻射エネルギーを熱エネルギーに変換して利用する技術である。

(1)光熱利用

 光熱利用の種類は多く、使用する温度の高低に基づいて次の三種類に分けられる。第1は低温(200℃以下)利用であり、主な応用形式にはソーラー温水器、ソーラー乾燥、ソーラーハウス、ソーラーエネルギー空調冷却システム等がある。第2は中温(200~800℃)利用であり、主な応用形式にはソーラーファーネス、太陽熱発電、集光集熱装置等がある。第3は高温(800℃以上)利用であり、主な応用形式には高温ソーラーファーネス、ソーラーエネルギー溶接機等がある。現在、低温熱利用の発展が最も速く、応用の面が最も広く、際立った省エネと環境効果もあり、すでに一定の規模を形成していて、中国の太陽エネルギー光熱産業はすでに世界で最大の太陽エネルギー光熱利用市場となっている。

 太陽エネルギー火力発電は太陽輻射エネルギーを熱エネルギーに変換し、さらに各種発電装置を通じて熱エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムで、一般的には太陽エネルギー集熱システム、蓄熱と変換システム及び蒸気タービン発電システムによって構成される。中国西部地区は、太陽エネルギー資源が豊富で、大規模な太陽エネルギー火力発電を発展させるのに十分な地理的条件を有している。太陽エネルギーを重点とする再生可能エネルギーの開発は、西部のエネルギー供給と環境改善を確保することになる。現在中国科学院電工研究所-皇明太陽能集団連合実験室(CHSEL)はすでに中国国内で一流の太陽エネルギー技術研究センターとなっており、タンク式、バタフライ式システムの研究において豊かな成果を上げている。連合実験室は北京通県の高温実験場に位置し、太陽エネルギー集光火力発電の実験を成功裏に実現し、国家科学技術省863プロジェクトによる検査に合格しており、1MW級の太陽エネルギー火力発電所は2010年に電力網に組み入れられ発電を行うことが見込まれている。

 太陽エネルギー光熱利用として技術が最も成熟し、応用規模が最大である太陽エネルギー温水器産業は、これまでに20年近くの成功の歴史があり、中国の再生可能エネルギー産業において商業化を最初に実現した産業である。企業の数から見て、現在中国には大小さまざまな太陽エネルギー温水器企業(太陽エネルギー温水器部品製造企業を含む)は10,000余社を数える。地域的分布から見ると、太陽エネルギー温水器企業は主として北京、河北、山東、江蘇、浙江を結ぶラインに分布し、太陽エネルギー産業はすでにガラス原材料加工、全ガラス集熱管と温水器加工、市場営業販売サービス、機械加工サービス、部品生産等の関連する企業との産業チェーンを形成するとともに、ブランド市場は強力なものとなっている。

 太陽エネルギー温水器は省エネと環境保護の面において優れており、さらに政府が環境保護産業を守り立てようとしているところから、大きく発展する潜在力がある。中国の太陽エネルギー温水器業界の将来の発展の方向は次のとおりである。

  1. 科学技術による進歩を保ち、太陽エネルギーの集積技術を高め、新型集熱、蓄熱技術、機械電気材料技術、補助エネルギー技術、建築と結合した技術、制御技術等を研究開発する。
  2. 二次回路スプリット型太陽エネルギー温水システムを開発普及する。現在、中国の太陽エネルギー温水器製品は絶対多数がコンパクト型直接差し込み式の製品で、一次循環型で、非耐圧であり、建築への組み込みは容易ではない。スプリット型システムは都市建築において、特に寒冷地区の建築物への利用において明らかに優れている。
    二次循環システムを開発することは当面の急務であり、また発展のための方向でもある。
  3. 高効率平板型ソーラー集熱器技術の開発と生産。平板型ソーラー温水システムは国外では依然として主流の製品となっている。これは耐圧性であり、長寿命で、建築物への組み込みが容易であり、大面積での利用に適している等の長所がある。ただし中国の平板型ソーラー集熱器技術が国外と比べてまだすこし開きがあることを考慮すると、高効率の平板型ソーラー集熱器の研究開発と生産を急ぐことが、太陽エネルギー熱利用の範囲を拡大する上で重要な意義を有している。
  4. 太陽エネルギー温水暖房技術を開発する。これには太陽エネルギー暖房工事ソフトウエア設計、床及び壁給熱技術等がある。
  5. 太陽エネルギー中温集熱技術を開発する。これには中温集熱器、耐中高温コーティング技術、光反射技術等がある。

(2)光発電利用

 光発電利用の基本的原理は太陽電池を通じて太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、制御、変換システムを経て、電力網に送られて利用されるか、またはバッテリー内に蓄えられる。光から電力を発電する太陽エネルギーを最も直接的、効果的に電気エネルギーに転化する方式である。

 現在太陽電池は、結晶シリコン電池(単結晶及び多結晶を含む)、非晶/微結晶シリコン薄膜太陽電池、銅-インジウム-ガリウム-セレン(CIGS、Cu(InGa)Se2))太陽電池、ガリウムヒ素(GaAs)及びテルル化カドミウム(CdTe)太陽電池等の幾つかのタイプがあり、研究が行われているものにさらに有機薄膜太陽電池、色素増感型太陽電池等がある。しかし実際に応用されているのは主としてやはりシリコン系太陽電池で、単結晶、多結晶及び非晶シリコン太陽電池がある。

 結晶系シリコン電池は現在市場シェアの90%を占めており、その変換効率が高く(量産型の変換効率は16~18%に達することが可能である)、相対的に安定し(20年使用後の変換効率は依然として出荷時の80%に達することが可能である)、生産技術が成熟し、生産拡大速度が比較的速いことから、これからの5~10年、太陽電池製品は引き続き結晶シリコン材料を主とすることが見込まれる。

 太陽光発電産業の急速な発展により、結晶シリコン原材料の逼迫状況はますます深刻なものとなっており、シリコン材料の価格は持続的に上昇し、シリコン材料は結晶シリコン太陽電池コスト全体の60%前後を占めている。2001~2003年、世界の太陽エネルギー変換用クラスの多結晶シリコン原材料の販売価格はほぼ25ドル/キロの水準で、2004年以降、価格は絶えず高騰し、2005年に世界市場で50ドル/キロを超え、2006年には100ドル/キロを超え、2007年の価格は220~300ドル/キロで、2008年初頭、市場価格は最高で400ドル/キロ以上に達した。多結晶シリコン製造産業の粗利益は70~90%に達したことがあり、国内外の多くのプロジェクトの操業開始を促した。予備的な統計によると、現在中国国内で建設中の多結晶シリコンプロジェクトは数十件あり、2009年の中国の多結晶シリコン原料の生産量は10,000トン以上となり、国際的大型工場の多結晶シリコン原料の生産量は50,000トン以上となるであろう。一部プロジェクトの生産能力は2008年初頭から少しずつ発揮され始め、多結晶シリコンの需給関係を徐々に改善することになるであろう。

 現在、金融危機の影響を受け、多結晶シリコン材料の価格はすでに元に戻り始めており、市場は基本的に需給のバランスを保持するであろう。表1は中国国内部分の多結晶シリコン企業の生産能力・生産量予測表である。

表1 中国国内一部多結晶シリコン企業の生産能力、生産量予測表

 近年、シリコン材料の不足は薄膜太陽電池産業の成長を促している。シリコン系薄膜太陽電池とは主として非晶シリコン(α-Si)電池、微結晶シリコン(μc-Si)電池及び微結晶非晶積層(α-Si/μc-Si)電池を指す。これらは薄膜太陽電池の主流で、2007年に薄膜太陽電池の全体の77.14%を占めている。すでに市場に進出している別の2種類の薄膜太陽電池はCdTe太陽電池とCIGS太陽電池で、2007年にそれぞれ薄膜太陽電池の21.14%と1.72%を占めている。

 2004年以前の中国の薄膜太陽電池産業は単接合非晶シリコン電池を主としており、2004年に天津津能公司が2.5MWp2接合型非晶シリコン電池を導入してから、非晶シリコン2接合型電池産業はより速い発展を遂げている。2007年末現在、薄膜太陽電池の生産に従事している中国の企業は20社近くとなっており、総生産能力は80MWpに達している。現在技術レベルがさらに高い微結晶非晶積層(α-Si/μc-Si)型電池生産ラインの建設を多くの企業が進めている。例えば尚徳電力(上海)と河北新奥の両社はそれぞれ50MWpの2接号型微結晶非晶シリコン電池(一期)を導入、福建金太陽は南開大学等の機関と協力して技術研究開発センターを建設し、設備を自主的に製造して生産能力を拡大している。これらの電池生産ラインが完成するとともに生産能力を形成した場合、中国の薄膜太陽電池産業は新たな技術レベルに引き上げられることになるであろう。

 現在、非晶シリコン電池はそのコストが低く、外観がきれいで、弱光性能がすこし良好であることから重視されている。しかし非晶シリコン電池はまた幾つかの課題、例えば効率がすこし低くかつ減衰があり、結晶シリコン電池より使用寿命が短い、市場の認知度がまだ低い等の問題がある。この他、薄膜太陽電池産業はまだ絶えず改良が行われている過程にあり、技術の更新が速く、設備が定まらず、設備初期投資が高く、従って投資のリスクは結晶シリコン電池より高い。

 太陽光発電産業は世界で発展が最も速いエネルギー産業の1つであり、世界の光発電市場の強い力に引っ張られ、中国の太陽電池製造業は技術を導入し、そのノウハウを吸収し、さらにイノベーションを通じて、長足の進歩を手にした。中国太陽エネルギー協会提供のデータによると、2006年の中国全国の太陽電池生産量は438MW、2007年の中国全国の太陽電池生産量は1188MWで、前年同期と比べて293%増となり、同年の中国の太陽電池生産量は世界の29%を占めた。中国はすでに欧州、日本を追い越して、世界の太陽電池生産の第一の大国となっている。国内の将来の光起電力市場は主として次の幾つかの面によって構成される。

  1. 辺境の電力網未カバー地区の電力網から離れた給電。政府の「電気を村に送り届ける」プロジェクトにおいて、光起電力発電システムは主導的役割を発揮するであろう。光起電力発電の農村辺境地区における普及は依然として短期の中国における光起電力発展の主な成長ポイントである。
  2. 大規模荒野・砂漠発電所。大規模な電力網に組み入れる光起電力発電システムの構築は太陽エネルギー資源の戦略的開発が必ず経なければならない道である。中国には108万平方キロの広大な荒野・砂漠資源があり、日照資源はきわめて豊富であり、大型の電力網に組み入れる光起電力発電プロジェクトの実施により廃物を宝に変えることが可能となり、同時にまた発電所周辺の自然環境を一歩一歩改善し、地域経済の発展を促し、さまざまな効果を同時に上げるという目的を達することができる。
  3. 分散電源、即ち屋上電力網併入システムと建物一体型太陽光発電(BIPV)である。分散電源の利用はドイツ等の国の政府の奨励政策運用に見られるように、さまざまな面の投資を動員してエネルギーと環境の問題を解決する有効な手段であり、効果はきわめて顕著である。

 この他、産業の光起電力発電技術を都市道路、小エリア照明に用いる技術はすでに多く利用されており、巨大な市場の潜在力がある。

 現在太陽エネルギー発電産業を悩ませている主な問題は新型光起電力電池及び光起電力電池材料であり、コストの大幅引き下げ、効率向上、大量の光起電力電池国産化、低コスト化、大規模化をできるだけ速やかに実現することが必要とされていることである。同時に、大型太陽エネルギー基地を完成させ、大型太陽エネルギー発電所が電力系統、エネルギー貯蔵と送電に効果的に溶け込む上での関連する技術的難題を解決することが必要である。

 光起電力発電のコストが比較的高く、平均コストが人民元2元/kWh以上であり、通常の火力発電の価格より高く、市場競争力に欠けており、環境保護とその他社会的効果が現在の市場条件の下においてまだ実現が困難であるため、現在の太陽光発電産業の発展は主として政府の補助金に依存しており、光起電力市場は依然として政策的な市場となっている。中国の太陽光発電産業を強力に発展させ、中国のエネルギー問題と環境問題を改善しようとする場合、太陽光発電産業自身の努力だけに頼るだけではまだほど遠く、政府の強力な支持と正確な先導がなお必要である。

 太陽エネルギーは黄金産業であり、躍進産業であり、現在毎年20~30%の速度で急速に成長しており、太陽エネルギーを重点とする再生可能エネルギーは強力な資源的基礎を有している。中国の太陽エネルギー産業は必ず長足の進歩を手にし、持続可能な発展でのエネルギーに対するニーズに堪えることができるであろう。

2. 風力エネルギー

 風力エネルギーはクリーンな永続的エネルギーであり、伝統的なエネルギーと比べて、風力発電は鉱物資源に頼ることはなく、燃料価格のリスクはなく、発電コストは安定し、炭素排出等の環境コストもない。風力発電は現在の新エネルギー発電の中で技術が最も成熟した、大規模開発の条件と商業化の前途を最も備えた発電方式で、短期計画の重点である。図2は中国の風力エネルギー資源区域分布図で、風力エネルギーは主として2つの大きな風が強く吹く地区に分布しており、沿海の風が強く吹く地区は主として東南沿海及び島嶼、遼寧と山東半島にあり、年間有効風力エネルギー出力密度は200W/m2以上で、北部の風が強く吹く地区は主として新疆から甘粛を経て内蒙古高原に至る一帯で、風力エネルギー出力密度は200~300 W/m2以上である。別に一部内陸地区にも比較的豊富な風力エネルギー資源があるが、風力エネルギー出力密度は一般に100 W/m2以下である。中国の風力エネルギー資源は豊富で、大まかな見積もりによると、中国の陸上風力発電技術の開発可能な総量は10億kWクラスに達し、開発・利用の潜在力は極めて大きい。

図2 中国の風力エネルギー資源区域分布図

 2007年、中国は(台湾省を除く)風力発電ユニット6469台、ユニット総量6050MW、風力発電所158ヵ所を設置し、国の「再生可能エネルギー中長期計画」における2010年に風力発電ユニット容量5000MWを達成させる目標を3年繰り上げて実現し、中国は世界で第5位の風力発電国となった。

 大規模化への発展と国産化率の向上にともない、風力発電のコストは明らかに低下しており、経済競争力を徐々に有するようになっており、全力を挙げて発展させることが可能である。風力発電を発展させることは1つのシステム工学であり、風力エネルギー資源、風力発電設備製造、風力発電所運転、電力網構築等の様々な分野に波及する。風力発電製造業は風力発電産業の中核であり、比較的完備した風力発電設備製造産業体系を確立し、風力発電設備自主化の水準を引き上げ、風力発電の独自構築を実現させることは、中国が風力発電を発展させる上での基礎である。

 風力発電産業のスタート段階においては、政策的支援と市場の育成が必要で、企業と科学研究単位(機関、部門、企業)の技術イノベーションに対して支持を与え、MWクラス以上の風力発電ユニットの全体的設計能力を高めることを含めて、ブレード、ギヤボックス、軸受、計器用変流器及び制御システム等のカギとなる部品の設計、製造の難題を解決することが必要である。中国は風力発電設備国産化の関連政策を制定するとともに、「風力発電特許権募集」等の措置を補助として、技術イノベーション、市場育成及び産業化発展を推進している。2005年の「京都議定書」発効後、発展途上国のクリーンエネルギーに属する風力エネルギー業種は、国際CDM項目認証を行うことを通じて、評定された省エネ排出削減指標を先進国と取り引きし、これによって特別の収益を獲得することが可能となっている。一種のクリーンエネルギーとして、現在中国においては、風力発電は引き続き0.24元/kWhの補助を受けるとともに、CDM認証の風力発電プロジェクトを通じて0.07~0.10元/kWhの特別な収入を得ることが可能である。2008年10月現在、すでに国際CDMプロジェクト執行理事会の認証に合格している風力CDMプロジェクトは合計538件を数え、その内254件が中国に属しており、総規模は13,072MWに達している(資料出所:UNEP Risoe Centre)。

 中国の風力資源は豊富で、利用技術も基本的に成熟しており、現在の規模を備えた開発における1つの重点とし、実際の供給能力を形成することが可能である。努力の結果、より完備した国際的競争力を有する風力発電産業体系を確立しており、中国の風力発電を世界の上位に進出させている。

3. バイオマスエネルギー

 バイオマスとは植物または動物の生物体から派生して得た物質の総称を指すもので、主として有機物によって構成される。これには世界のすべての動物、植物と微生物及びこれらの生物によって生じた排泄物と代謝物が含まれる。バイオマスエネルギーは重要な再生可能エネルギーである。バイオマス利用技術は2つのタイプに分けられる。1つは熱化学法を通じてバイオマスに対して変換を行うもので、もう1つは生物化学法による転化である。バイオマス転化により熱、電気、ガス、液体燃料及び化工製品を手に入れることができる。バイオマス利用技術の研究は資源研究、転化技術研究、利用技術研究、利用システムの最適化と評価の4つの部分に分けられ、資源供給が基礎で、転化と利用が中核で、環境にやさしいことが目標である。その他の再生可能エネルギーと比べて、バイオマスエネルギーは唯一の液体燃料に転化が可能な再生可能エネルギーで、独特の優れた特徴がある。

 中国は人口の多い農業国であり、バイオマス資源はきわめて豊富で、毎年少なくとも7億トンの廃棄農作物(標準石炭3.5億トンに相当)が生産される。バイオマスエネルギーは中国のエネルギー構造においてかなり重要な地位を占めており、特に広大な農村地区においては、バイオマスはかつて最も重要なエネルギーであった。しかし長期にわたって、大多数のバイオマスエネルギーの利用は直接燃焼することを主としており、大量の煙塵と残灰の排出を伴うだけでなく、農村経済と社会の進歩を妨げる重要な理由の一つとなっていた。バイオマスエネルギーの開発と利用はエネルギー源である植物と農業廃棄物等のバイオマス原料を化学的または生物学的技術を利用して高付加価値のバイオマスエネルギー、生物材料、石油製品代替品及び副産品等の環境にやさしい製品に転化する全プロセスである。現在、中国のバイオマス開発と利用は主としてバイオマス炉の開発、バイオマスガス化技術、バイオマス液化技術、バイオマスエネルギーメタンガス開発、バイオマス発電技術(直噴燃焼式発電、ガス化発電、熱電併給)及びバイオマス成型燃料及び木炭利用技術等である。研究されているバイオマスエネルギー変換技術及び製品は図3を参照。その内の産業技術は主として直接酸化(燃焼)、物理的変換、化学的変換及び生物学的変換である。

図3 バイオマスエネルギー変換技術概念図

 バイオマス発電の面において、中国はすでに一定の成果を収めている。例えば中国科学院広州エネルギー研究所が受け持った国家863プロジェクト「バイオマスガス化発電最適化システム及びそのモデル工事」は研究開発に成功して以来、中国と東南アジア諸国において普及しており、すでに国際的に採用が最も多い中小型バイオマスガス化発電方式となっている。バイオマスわら(茎)直燃発電は現在中国で発展が最も急速で、新たなユニット設置件数が最も多い発電方式であるが、直燃発電は比較的多くのバイオマスわら(茎)資源を消費し、かつバイオマスわら(茎)直燃発電の効率は20~25%であり、小型バイオマスわら(茎)ガス化発電の効率は20%に満たず、これによってバイオマス直燃発電のコストを比較的高くし、運転管理費用を比較的大きくしているが、キーポイントとなるのは発電効率を向上させることである。石炭ガス化複合発電(IGCC)システムのシステム効率は40%以上にすることが可能で、中国はすでにIGCC技術を有しており、この技術の研究と開発はバイオマス発電の主な研究の方向であり、中国のバイオマスガス化発電の発展をさらに大きく推進することになるであろう。

 バイオマス液化技術はセルロース起源燃料エタノール、バイオマス分解起源燃料油、バイオディーゼル燃料等の幾つかのタイプに分けられ、直接液化技術と間接液化技術がある。バイオマスからアルコール類を製造する技術はすでに基本的に完成しており、商業用モデルの段階に入っているが、生産コストが高いため、市場競争力はまだ備えていない。バイオマス直接液化により液体燃料を調製する技術は現在小規模テストと中規模テストの段階にあり、その製品はまだ実際的意義を有してはいないものの、その展望は極めて良好である。バイオマス間接液化によるメタノール及びジメチルエーテル製造の面においては、中国はまだ実験室研究の段階にある。バイオディーゼル燃料の研究と開発はスタートが比較的遅かったものの、発展の速度は極めて速く、国の科学技術部門の支持と863計画の支持を得ており、一部の科学技術研究の成果はすでに国際的にも先進的水準に達している。バイオマスが石炭よりさらに多くの水素を含有しているため、バイオマスによる水素の製造はさらに合理的で経済的であり、持続的発展が可能な水素取得の方途である。水素エネルギーの発展にともない、バイオマスによる水素製造の研究を推進しているが、現在この技術は依然として試験研究の段階にある。

 国際的にはバイオマスエネルギーの開発・利用が大変重視されており、一部の国ではすでにバイオマスエネルギーを代替エネルギーの重要な発展の方向としている。例えば米国はトウモロコシを原料とする燃料エタノールを大量に製造させており、ブラジルはサトウキビを原料とする燃料エタノールを重点的に製造させている。農作物を大規模に利用して燃料を生産することは、世界的な食料供給不足をもたらすのではないかという問題がすでに国際的な論争を引き起こしている。各国の状況は異なっており、バイオマスエネルギーの開発、利用は具体的な状況を考慮する必要がある。中国は国土が広大であるが、耕作が可能である面積が相対的に小さく、人口がとても多いため、食糧安全が第一位であり、バイオマスエネルギーの発展では主として非食糧植物のバイオマス資源を利用すべきで、利用が可能であるものは主として農林牧畜業、工業及び都市生活の廃棄物で、一部の農作物もある。大規模なバイオマス資源を提供するためには、食糧安全生産の用地を保証することを基礎として、辺境の土地に生態系構築と砂漠化防止整備とを結合した、安定したバイオマスエネルギー生産基地を建設する。これと同時に、エネルギー植物の選別改良を鋭意行い、科学研究の投資を大きくし、高度な、新しい技術を研究開発し、バイオマス転化の効率と科学技術のレベルを高めることにより、エネルギー植物の植付を重大な産業として推進し、発展させることが可能である。

 バイオマスエネルギーの開発と利用は、持続可能な発展の実現、国家のエネルギー安全の保障、生存環境改善とCO2減少にとって、いずれも重要な役割と実際的意義を有している。バイオマスエネルギーの開発と利用にはバイオマス原料の生産・加工、製品転化と利用の一体化された産業チェーンと技術体系があり、また政策、法規、市場と流通等の保障体系もある。科学技術の発展と進歩にともない、バイオマスはさまざまな変換技術を通じて高い効率で利用され、石炭、石油と天然ガス等の鉱物燃料に取って代わることができる。

4. 水素エネルギーと燃料電池

 水素エネルギーと燃料電池はエネルギーの安全と環境問題を解決する最も期待される手段の一つである。さまざまな方式で製造された水素ガスは、燃料電池を通じて電力に直接変換され、自動車、鉄道等の交通手段に用い、末端汚染物のゼロエミッションを実現することが可能で、また工業、商用及び建築等の固定式発電給熱施設に用いることも可能である。ひとたび非化石エネルギーの廉価な水素製造、安全な水素貯蔵・水素輸送、高効率の耐久性のある燃料電池等のかぎとなる技術が解決され、特に太陽エネルギー、原子力エネルギー、バイオマスエネルギーにより水素を大規模に製造する技術が課題を乗り越えることができたら、水素エネルギーは有効に利用できるであろう。将来の発展が期待される新型エネルギーの一つとして、水素エネルギーは一種の非常にクリーンな新型燃料となる可能性がある。現段階においては、水素製造、水素貯蔵の技術は水素エネルギーの最も主要な研究の方向で、燃料電池は水素の理想的な転化装置であり、水素エネルギー利用のかぎとなる技術である。

 水素ガスの供給源はきわめて多くあり、技術もさまざまあり、化学、生物、電解、光分解等の処理プロセスがあり、その内の一部の技術、例えば水を電気分解して水素を製造する技術はすでに商業化が実現している。各種技術の発展の段階が異なるため、それぞれの技術にはいずれもその独特の将来性、経済効果と課題がある。原料の使用可能性、技術の成熟度、市場の応用とニーズ、政策とコストの問題はいずれも各種水素製造技術の選択と発展に影響するであろう。表2は幾つかの主な水素製造技術を比較している。

表2 主な水素製造工程・技術

 現在、石油・天然ガス等の化石エネルギーが水素製造における主な供給源であり、世界の水素生産量の約78%を占めている。再生可能エネルギーによる水素製造は将来の発展性があり、コストが比較的高い等の理由によって短期的には商業化の前途を見つけ出すことは困難ではあるが、この面についての研究はまだ継続中である。水素製造技術の面において、中国では一部の研究分野(生物による水素製造、硫化水素による水素製造、メタノール改質による水素製造等)が一定の成果を上げている。中国科学院大連化学物理研究所、石油大学、中国科学院理化技術研究所、ハルビン工業大学等の機関が水素製造の面においていずれも研究を行っているが、全体的に見てみると、中国国内の水素製造技術と国外技術とではまだやや大きな隔たりがある。化石燃料による水素製造、バイオマスによる水素製造であろうと、あるいは水分解による水素製造であろうとも、すべての水素製造技術について述べるといずれもさらに生産効率を引き上げ、生産コストを引き下げ、運転の信頼性と融通性を強化することが必要である。

 水素エネルギーシステム全体において、水素貯蔵は比較的かぎとなる工程である。水素エネルギーの広範な利用、特に燃料電池車の商業化を実現しようとするなら、必ず水素貯蔵システムのエネルギー密度を高めるとともにコストを引き下げなければならない。水素貯蔵時の状態に従って区分すると、現在の主な水素貯蔵方式には主として金属水素化合物水素貯蔵、液化水素貯蔵、圧縮水素貯蔵等がある。表3は気体、液体及び固体水素ガスの貯蔵技術の比較を示す。

表3 気体、液体及び固体水素ガス貯蔵技術の比較

 現在最も常用されている気体水素貯蔵タンクはスチールタンクであり、今後の研究の重点は耐高圧軽質複合材料タンクとガラスミクロスフィア水素貯蔵である。液体水素の最もよく見られる貯蔵方法は水素ガスを超低温(-253℃)まで冷却するものである。固体材料水素貯蔵は固定式と移動式水素貯蔵への適用の上で最も安全で効果的な方法となる可能性がある。高表面積材料、水素化物、水素反応化学水素化物、熱化学水素化物等の材料は固体の水素貯蔵に用いることが可能で、複合水素化物水素貯蔵技術が現在関心を呼ぶ重点となっている。特に非遷移金属類、例えば硼素水素化物、アルミ水素化物、アミノ化合物等である。中国の水素貯蔵技術と国外との隔たりは比較的小さく、金属水素化合物水素貯蔵とナノ複合化合物水素貯蔵材料等の研究は比較的活発で、浙江大学南開大学中国科学院金属研究所、中国科学院上海マイクロシステム及び情報技術研究所、北京非鉄金属研究院等の機関がいずれもこの面の研究を展開している。

 燃料電池は新しい世代のエネルギー変換装置として、そのエネルギー変換効率が高く、汚染がないことから、さまざまな分野において利用されている。しかしそれぞれの分野での異なった条件の影響を受けて、燃料電池の異なった分野における利用の前途もそれぞれ異なっている。燃料電池は中国で比較的人気のある研究であり、科学研究機構以外に、ハイテク企業の参入の度合いも比較的大きい。中国のプロトン交換膜燃料電池の進歩は最も顕著で、中国科学院大連化学物理研究所、清華大学北京理工大学同済大学以外に、北京世紀富原燃料電池有限公司、北京飛馳緑能電源技術有限責任公司、上海神力科技有限公司、大連新源動力公司がいずれも数十ワットから数千ワットクラスのセルスタックの開発に従事しており、一部の製品はすでに燃料電池車のモデルに応用されている。この他、中国の溶融炭酸塩燃料電池と固体酸化物燃料電池に対する研究はまだスタートの段階にあり、国外との隔たりは比較的大きい。アルカリ型燃料電池、りん酸型燃料電池と特殊燃料電池等の面においてもいくつかの作業が行われている。現在燃料電池の商業化が主に挑戦しているのはコストと耐久性である。

 技術の進歩が進展するのにともない、水素燃料電池は発電と交通の分野に応用されており、中国では北京、上海にすでに燃料電池商業化モデルプロジェクトがある。全体的に見て、中国の水素エネルギーと燃料電池の産業化の程度はまだかなり低く、企業は主として国の科学研究資金による開発支援に依拠しており、自主開発の能力が一般的に欠けている。今後の燃料電池の発展は主として技術の絶え間のない進歩、コストの持続的低下と国、地方の関連政策の奨励と支持に依拠することになる。

 水素エネルギーシステムは極めて大きな複雑なエネルギーシステムであり、その中で水素製造技術は根幹となるもので、水素貯蔵技術は物と物を結びつける役割を果たし、燃料電池は中核であり、この3つの段階の技術の成熟度は水素エネルギーと燃料電池応用の前途を決定する。低コストで、環境にやさしい、高効率・集積の現場水素製造技術は問題解決が早急に待たれており、高容量の水素貯蔵技術の研究開発はオリジナルのイノベーション及び新しい理論的サポートが必要であり、燃料電池はコスト引き下げ、安定性向上が必要で、水素エネルギーシステムのユニット技術は集積度の向上が必要である。水素エネルギー体系発展の初期段階においては、天然ガスを過渡的な水素供給源とし、天然ガスを「現地で製造し、現場で利用する」ことを指導原則とし、中期的には石炭を主な水素源とし、石炭の高効率、大規模な水素製造を実現するとともに、CO2回収・貯留の問題を解決する。これによって化石エネルギーのフレームの下における持続可能な発展を実現し、石炭を「現地である程度の規模をもって生産し、付近で利用する」ことを指導原則とし、長期的には非化石エネルギー(原子力エネルギー、再生可能エネルギー)を主とする一次エネルギーの水素エネルギー体系に一歩一歩移行するとともに、水素エネルギー管理網体系を実現する。短期的には石炭の大規模の水素製造とゼロに近い排出技術、非化石エネルギー水素製造技術、高効率分散式水素製造、水素貯蔵・輸送、燃料電池車の技術と分散式水素エネルギー利用技術等の面で重点的な段取りを取る必要がある。図4は中国の水素エネルギー科学技術発展の路線図である。

図4 水素エネルギー技術路線図

5. まとめ

 中国はすでに立法を通じて、再生可能エネルギーの開発・利用をエネルギー発展の優先分野に挙げるとともに、再生可能エネルギー中長期計画を制定しており、太陽エネルギー、風力エネルギー、バイオマスエネルギー、水素エネルギーと燃料電池等の無炭素及び低炭素エネルギーを今後の発展の重点と定めている。図5は中国の再生可能エネルギー技術中長期計画のタイムテーブルである。太陽エネルギー、風力エネルギー、バイオマスエネルギー、水素エネルギーと燃料電池等の新しいエネルギーと再生可能エネルギーの発展は、技術的要素の影響を受ける以外に、その経済性も一つの制約的要素となっており、非化石エネルギーが大きな規模で化石エネルギーに取って代わる道のりはまだ極めて長いものであるが、温室ガス排出削減の重要性に対する国際社会の認識が絶えず進化するのにともない、エネルギー技術が低炭素、無炭素化の方向に向かって発展する趨勢は日増しに強まるであろう。

 エネルギーは現代の経済社会発展の基礎と重要な制約的要素であり、エネルギーの安全は経済の安全と国の安全に関わる。エネルギー発展戦略を立派に実施し、エネルギー政策をいっそう完備したものにし、体制のメカニズムを健全化し、マクロ管理を強化し、市場の資源配置の基礎的役割をさらに明確に設定すれば、新エネルギーと再生可能エネルギーは経済社会の発展のためにさらに強力なエネルギーの保障を提供できることになる。

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図5 中国の再生可能エネルギー技術における中長期計画タイムテーブル

参考文献

  1. 中国のエネルギー問題に対する考え、江沢民、上海交通大学学報、2008、42;345~359
  2. 「中国のエネルギーの持続可能な発展戦略特別テーマ研究」、中国科学院エネルギー戦略研究組編、北京、化学出版社、2006年
  3. 「2008年中国の新エネルギーと再生可能エネルギー産業発展報告」、中国再生可能エネルギー学会、中国科学院広州エネルギー研究所
  4. 「中国の再生可能エネルギーと新エネルギー産業化ハイエンドフォーラム」、馮之浚主編、北京、中国経済出版社、2007年
  5. 「国際エネルギー戦略と新エネルギー技術の進展」、張軍、李小春等編著、北京、科学出版社、2008年
  6. 「新エネルギーと再生可能エネルギーの利用」、呉治堅主編、北京、機械工業出版社、2006年

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