マレーシア機捜索に向かった巡視船「海巡01」、最新の捜索装置を搭載

2014年 3月20日

 中国交通運輸部(省)に所属する巡視船「海巡01」は19日未明、シンガポール沖で補給を完了し、スンダ海峡付近の海域で実施中のマレーシア機捜索活動に向かった。海上捜索は「大海で針を拾う」ようなものだ。記者は同船に乗船した上海海事測絵(測量製図)センター測量隊隊長の張良氏を取材した。張氏は、船に搭載された専門的な装置と捜索活動について、次のように詳しく説明した。新華社が伝えた。
 船に搭載された装置による捜索活動は、三つのステップに分かれ進められる。専門的な装置を搭載した「海巡01」は目標海域に到着後、まずレーダーや光電システムなどの設備を使い、漂流物、残骸、燃料などの疑わしい目標を広範囲で捜索する。疑わしい目標を発見後、ブラックボックス捜索装置、サイドスキャンソナー、磁力計などの専門的な設備を使い定点捜索を進める。最終的に、必要があれば水中ロボットを使用し、近距離で疑わしい目標に対して光学・音波スキャンを行う。
 「海巡01」は9つの捜索装置を搭載している。これには2台の水中ロボット、多重ビームサイドスキャンソナー、水中ソナー、水中定点スキャンソナーなど中国最先端の装置が含まれ、高い捜索能力を誇る。
 ◆多重ビームサイドスキャンソナー
 「海巡01」の多重ビームサイドスキャンソナーは、主に水中の地形観測および水中の目標の探査に用いられる。捜索の際には船のクレーンにより水中に投入され、海底および水中の物体に関する情報を、リアルタイムで画面に映し出す。同設備は20ノットの速度で幅400メートルの海域を連続探査し、垂直探査幅は250メートルに達する。同装置は20ノットの速度でも精度に影響せず、精度と効率のバランスを保つことができる。
 別の物質と異なり、金属などの物体は強い反響を見せる。映像と反響の強さを組み合わせ水中の状況を判断することは、水中の超音波検査のようなものだ。
 船上で使用される電気ケーブルは100メートルに達し、ソナーを水深70−80メートルまで投下できるため、水深300メートル以上の海域を捜索可能だ。水深1000メートルの海域に向かう場合は、大型設備のない公船を使うしかなく、設備面の制限により問題が生じる可能性がある。
 ◆ブラックボックス捜索装置
 ブラックボックスは、よく知られた航空用語の一つだ。機内のブラックボックスは一般的に、水中に入ってから自動的に稼働するよう設定されている。稼働後は「水中音響測位ビーコン」により1秒毎にパルス信号を出し、3−5キロ先まで伝える。この信号は30日連続で発信されるが、30日後は徐々に弱くなる。
 ブラックボックス捜索装置を使えば、ブラックボックスのビーコンが出す信号音をキャッチできる。しかしこの信号の伝送、捜索装置の稼働は、潮の流れとその速度、地形などの影響を受ける。
 ◆水中音響定位・スキャンソナー
 海水の透明度が高ければ、水中の一般的な撮影機器でもリアルタイムの観測が可能だ。しかし透明度の低い海域であれば、水中音響定位・スキャンソナーが重要な力を発揮する。このシステムは通常、水中ロボットもしくは潜水員が携帯し、音響設備により透明度の低い水中でのリアルタイムの位置測定・イメージングを実現する。
 ◆磁力計
 水中の残骸などの物体を発見した場合、まずはその属性を判断しなければならない。磁力計は主に地場の大きさにより、物体の属性を判断する。磁力計は水中5−10メートルで作業をし、一般的な探査範囲は1000メートルに達するが、鉄磁性を持つ物質にしか使えない。そのうち最も発見しやすいものは、航空機のエンジンだ。
 ◆水中ロボット
 「海巡01」には、2台の水中ロボット(ROV)が搭載されている。1台の大型水中ロボットは600メートルの潜水が可能で、もう1台の小型水中ロボットは300メートル潜水できる。水中ロボットを使用し、疑わしい目標が発見された海域で、近距離の光学・音響スキャンを実施できる。条件が許す限り、物体を回収することも可能だ。


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