猛威を振るう黄砂の「犯人」は三北防護林?

2018年 4月11日

 4月10日、北京などの地域に強風が到来し、砂塵が吹き飛ばされた。黄砂が発生するのは今年で7回目となるが、今年はなぜこれほど多いのだろうか。科技日報が伝えた。
 中国気象局環境気象センター高級エンジニアの饒暁琴氏は、「このところ黄砂が多発しているが、これは気象の特徴と密接な関係がある。北京は今年に入りほとんど雨が降っておらず、周辺地域の降水量も少なめで、さらに気温が急激に上昇し、地表の土壌の氷がほぼ溶け、冷たい大気の活動が活発になっている。全体的に見て、黄砂が生じやすい気象条件になっている」と指摘した。
 「三北(東北・西北・華北) 防護林プロジェクトが風を遮り、北京・天津・河北の煙霧日数を増やしている。三北防護林の木が切られたから、黄砂の日数が増えている」という噂があるが、このように防護林が常に「犯人」扱いされている。
 しかし、中国気象科学研究院の徐祥徳氏は、「防護林帯の主な効果は、砂を固定し水と土を保ち、風による侵食を弱め黄砂を減らすことだ。冷たい大気と強風の影響範囲は垂直方向で1500メートル以上であり、2−30メートルの高さの防護林はこの冷たい大気や寒波を遮ることができない」と説明した。
 また、環境保護専門家の彭応登氏は、「三北防護林は黄砂対策としては有効だが、効果には限りがある。これは三北防護林プロジェクトが有する林が少なすぎるからだ」と強調した。
 科学研究者100人が4年の月日をかけて完了させた国家林業公益性業界重大科学研究特別プロジェクト「森林のPM2.5などの粒子状物質に対する抑制機能及び技術の研究」によると、北京市海淀区など中心市街地6区のすべての植物が、年平均で9789トンの粒子状物質を留めることができる。うちPM2.5は105トン。森林・植物により、北京の大気品質「2級優良日」が毎年15日増加するとしている。
 彭氏は、「三北防護林にも同じような効果がある。現在新たな黄砂源となっているのは西北の荒れ地と耕作地、河套地区の半乾燥・半湿潤地区などだ。これらの地方で植樹と緑化を急ぎ、植物で地面を覆えば、三北防護林の範囲を拡大できる」と述べた。


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