ロボットが水中で魚介類を捕まえるコンテスト開催 大連

2018年 9月12日

 「もっと上、下だ、しっかりつかめ」画面のロボットアームの動きに注目しながら、船内の人々の胸が高鳴った。30分後、機械が収穫を手にし水から上がった。数は多くないものの、やっとの思いで捕まえた「獲物」ばかりだ。9月上旬の大連沖では、照りつける太陽よりも熱い「水中ロボット目標キャッチコンテスト」の戦いが展開されていた。科技日報が伝えた。
 「私たちが食べる野生のナマコは、すべて人の手で捕まえられたものだ」とする中国工程院院士の高文氏のこの言葉は、ロボット「潜水」の最も実際的な目的だ。高氏の説明によると、中国にはナマコを食べる食習慣があるが、現在の生産条件ではナマコやアワビなどの海産物は、潜水士が潜水して捕獲する必要がある。これは大変な作業でハイリスクでもあり、潜水士は40代までしかこの仕事を続けることができず、残りの人生は長期的な潜水の影響による高窒素血症に悩まされることになるという。高文氏は、「健康を犠牲にする仕事なので、あと20年もすればこの仕事をやろうとする人がいなくなるだろう。そうなるまで、ロボットによる代替を目指さなければならない」としている。
 漁業従事者の健康の安全を守るだけでなく、ロボットの水中作業には海洋保護のメリットがある。国内の水産物は消費量が多く、引網による乱獲が中心で、海洋の生態を大きく破壊している。沈没船引き上げなど大型水中作業に用いられる従来の大型水中装備品と異なり、水中ロボットはコンパクトで柔軟性が高く、物をつかんだり、緊急救助や水中観測などの作業に用いることもできる。ロボットを使い需要に基づき精確に漁獲できれば、産業チェーンの好循環が形成され、その他の水生生物も影響を免れることができる。
 目標キャッチコンテストに参加した北京航空航天大学中国科学院自動化研究所の共同チームは、軟体ロボットを研究する唯一の参加チームだ。彼らのロボットはタコのように柔らかい腕と手を持ち、携帯電話のような貴重品やエッグタルトのような壊れやすい物までつかむことができる。北京航空航天大学のチームを率いた文力教授によると、今年のロボットには「伸びる腕」など、大きな改良点があったとし、「観察により、タコの腕の筋肉が伸びることを知った。今年はロボットアームを2−3倍に伸びるようにし、効率を大幅に高めた。これからはロボットのスマート水準を高め、自主性を強める予定だ」としている。


※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます

中国関連ニュース 関連リンク

柯隆が読み解く

2018/8/1更新
「米中貿易戦争の中国経済へのよき影響」

富坂聰が斬る!

2018/8/22更新
「米中経済戦争」

和中清の日中論壇

2018/8/13更新
「新疆の経済と辺境の発展を考える」

田中修の中国経済分析

2018/6/25更新
「国務院第Ⅱ期李克強体制の課題」

露口洋介の金融から見る中国経済

2018/8/30更新
「人民元為替レートの動向」

青樹明子の中国ヒューマンウォッチ

2018/7/20更新
「白岩松さんの“W杯ショータイム”」

科学技術トピック

2018/8/30更新
最新テーマ:ロボット分野

取材リポート

2018/9/5更新
「四川省産業発展戦略に日立が協力 産業・健康管理分野などデジタル化で」

中国の法律事情

2018/8/29更新
「中国における第4次産業革命の最新情勢」

日中交流の過去・現在・未来

New

2018/9/11更新
「四川省国際科学技術合作協会の顧問・梁晋氏が日本外務大臣表彰を受賞」

日中の教育最前線

2018/9/6更新
「大学イノベーションインテリジェンス導入の新たな動向」

中国の大学

2017/6/22
「中国の主要800大学」

文化の交差点

2018/8/21更新
「崔富章「版本目録論叢」を読む」

中国実感

2018/4/5更新
「習近平「トイレ革命」の歴史的意義」

北京便り

2018/6/15更新
「植物の遺伝子を自在に改変する技術開発―在中国日本人らの研究チーム」

SPCトピック

2018/5/9更新
「JST、日中・中日科学技術論文機械翻訳システムの提供を開始」

CRCCイベント情報

New

CRCC研究会、中国研究サロン、シンポジウム等、開催予定のイベント情報

CRCCイベントアーカイブ

New

開催済みのCRCC研究会、中国研究サロン、シンポジウム等の講演資料・レポート

日中・中日機械翻訳システム

CRCC運営データベース

CRCC運営ウェブサイト

アクセス数:61,480,069