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3.2 電子情報通信分野の現状および動向

(2) エレクトロニクス

1)マルチコアプロセッサ

 中国は、高周波・アナログの集積回路、集積回路のインテグレーション、ディスプレイ技術の産業技術力で世界最先端にあるが、全体では日米欧韓とはまだ差がある。

 そうしたなかで、次世代スーパーコンピュータにも採用が予定されている中国が独自に開発中の中央演算処理装置(CPU)「龍芯3号」の大量生産が視野に入ってきた。

 中国科学院は2008年8月、米カリフォルニア州で開催された「Hot Chips展」で「龍芯3号」を公開したことを明らかにした。これを受け、中国科学院・計算技術研究所の徐志偉・副所長は同11月30日、2008年内に4コア、2009年には8コアバージョンを完成させ、大量生産を開始する考えを表明した。

 中国科学院・計算技術研究所の李国傑所長は2006年9月13日、中国が独自に開発した中央演算処理装置(CPU)「龍芯2号」の検証状況報告会で、「龍芯2号高性能汎用CPUの回路設計」(龍芯2E)が「863計画」の検証作業をクリアしたことを明らかにするとともに、「第11次5ヵ年」期間(2006~2010年)内に、8~16コアのマルチコアプロセッサ「龍芯3号」を開発する計画を明らかにしていた。

 計算技術研究所は2001年3月、1000万元を投入して「龍芯プロジェクトチーム」を立ち上げた。その後、2002年8月に「龍芯1号」、2003年10月に「龍芯2号」の試験に成功し、2005年に64ビットの「龍芯2号」、2006年3月に「龍芯2号」のアップグレード版「龍芯2F」を開発した。

 「龍芯2F」は、従来の「龍芯2E」に比べて、消費電力が少なくコストが低い。計算技術研究所の李国傑所長は2007年10月13日、欧州の半導体メーカーであるSTマイクロエレクトロニクス社が「龍芯2F」の大量生産を開始したことを明らかにしている。

2)液晶モジュール

 中国では、薄型(フラット)テレビの市場拡大が続くなかで、今後、熾烈な価格競争が予想されることから、液晶モジュールの生産拡大に拍車がかかっている。家電大手のTCL集団は2009年3月3日、同社初の液晶モジュール生産ラインの試作が終了し、全面的な量産段階に入ったことを明らかにした。同社によると、2月の生産量は32インチ液晶モジュールが2万700枚、また3月の生産量は5万枚まで拡大される見通しという。

 同社の液晶モジュール生産ラインは国内最大規模で、投資額が33億元に達したと見られている。TCLは、独自開発の液晶モジュール生産技術を利用し、生産コストを5%以上削減し、薄型テレビの販売価格を6%引き下げることを計画している。

 一方、康佳集団も2009年3月、江蘇省昆山市に8億8600万元を投じて液晶モジュール生産基地を建設する計画を発表した。同社によると、2009年下半期に生産を開始し、国内最大規格となる47インチ液晶モニターを年間720万枚生産する予定で、年生産額は128億元に達すると見込まれている。同社以外にも、海信や創維などの各社もモジュール生産に乗り出している。

 こうした背景には、中国政府が打ち出したカラーテレビ産業の戦略的転換がある。国家発展改革委員会は2009年2月25日、薄型ディスプレイ産業の発展を促進する方針を打ち出した。それによると、2009年から3年間にわたって、カレーテレビ産業の転換に向けた政策を実施し、一部プロジェクトに対しては資金面などから支援を行う。

 国家発展改革委員会によると、今回の政策はカラーテレビ産業の構造調整と薄型テレビの産業チェーン整備を目標としている。同委員会は、自主発展能力の向上を中心に据え、ディスプレイ重大建設プロジェクトを牽引力として現在の主流ディスプレイ技術と今後の発展を配慮したうえで、カラーテレビ産業の拡大と強化を実現するとともに、薄型ディスプレイ産業チェーンを整備するという方針を明らかにした。

 中国電子商会電子製品消費調査弁公室によると、中国の都市家庭が保有する薄型テレビは2008年末時点で2800万台に達し、このうち液晶ディスプレイが85%、プラズマディスプレイが15%を占めたと推定している。なお、カラーテレビ市場全体に占める薄型テレビの割合は30%を上回っている。


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